精神疾患の大きな原因となるのは不眠です。不眠を解消するためのアイテム10選!をご紹介。
なかなかインパクトの強いタイトルやね。
そんなことあるの?
そうだね、レアケースだけど、実際にあるよ。
そこでどんな対応をしているのかをみんなに知ってもらいたくて。
大変になってしまうケースとして、伝えておきたいね。
しょっちゅうそんなことあったら大変やね。
どんなケースがそうなるの?
やっぱり、家族とか身近なキーパーソンがいないケースだね。
不調に気づきにくいし、受診させるまでが大変になってしまう。
そんなケースをどう対応したのか、記事に書いたから読んでみて。
統合失調症の陽性症状が出てしまい、正気ではない状態の時のお話です。
色々なケースがあるので、一概には言えませんが、私の経験したケースを書いてみます。
皆さんはあまりそういった場面に遭遇しないでしょうから、単純に怖い!と思われてしまうのではないでしょうか。怖いと言えば怖いのかもしれませんが、身の危険を感じるパターンと、そうでないパターンがあります。今回のお話は、意思の疎通がうまくできない状態。危害を加えられるような形ではありません。仮にもし身の危険を感じるような場面であれば、警察を呼びましょう。
身の危険を感じる場合は、警察を呼んで保護してもらうのが一番良い方法です。警察署から保健所に連絡、措置入院となるから話が早いです。あくまで自傷行為、他害行為がある場合にしてください。そうでなければ措置にはならないと思います。
では、話を戻しまして。皆さんに誤解してほしくないのは、症状が出た時のことを面白おかしく書きたいのではなく、真実を見てもらいたいという事です。そして、我々も頻繁にこういった場面に出くわすわけではないという事も理解してほしいところです。普段はそうではないわけです。何かしらの問題を抱え、それによる不安が心を蝕むわけです。正気を保てていないパターンの場合、その不安感、恐怖に対する防衛本能とも言えると思います。そうなれば確かに考えなくて済みますもんね。
声かけをしながら、様子を観察する
実際にそうなった場合、どう対処するか。まずは普通に話しかけます。今回は、自宅トイレから出てこられない状態でした。トイレから出るように促しますが、拒否します。会話の内容を確認していきます。訴えをよく聞くと、今の本人の中で起こっていることが少しだけわかってきます。流ちょうな言葉で説明してくれるわけではないですが、断片的な情報を拾って考えます。
今、本人の中で起こっている事は
・夢か現実かわからない
・トイレの個室の中は多少安心できる空間
・今話している(私)のことは知っている
・何もかも夢で、この部屋(トイレ)から外はすべて夢の世界
・今も夢を見ている
といった情報が拾えました。トイレの個室は狭いですし、なんとなく安心するのかもしれません。しかし長時間の座位は血行をとめ、血栓を作ってしまいます。いわゆるエコノミー症候群が起きるかもしれない可能性を感じます。引き続き、出るように促しますが、トイレの外は怖いようです。
また、訪問サービスの方から、ここ最近眠れていない様子だったとの報告もありました。おそらくは何か気になることがあって、それで眠れずに精神状態が悪化したことがうかがえます。
また、特徴的なものとして、オウム返しを繰り返す様子がありました。こちらの話した内容をそのまま返してきます。一見、素直に言うことを聞いてくれそうに感じるのですが…実際はトイレからは出られません。困った。
事業所スタッフを呼びます。幸い、夕方だったので事業所はスタッフだけです。とりあえず、ベッドに移ってもらうために人を呼び集めます。居宅介護事業所、訪問看護、相談支援専門員、B型スタッフ、総出です(笑)みんなでベッドに移るように促します。30分ほどしたら、人がいることに安心?したのか、ベッドに移ることができました。
訴えの内容は引き続き意味不明…
仕方ないです。夢の中にいるのですから。しかし、この状態で一人にすることはできません。事故、火事、何が起こるかわかりません。
全部一緒!ぜ~んぶ!一緒!
しきりにこのフレーズが出てきます。何が一緒なのかはわかりません…
何が一緒なの?と聞くと、あんたも俺も、全部一緒よ…わかるやろ?と返ってきます。
………わかりません(笑)
言葉は柔らかく、優しい語り口なのですが、内容が本当にわかりません。困った。何が一緒なんだろう。あきらめずに会話をしていきます。わからないところはうまいこと受け流していきます。すると少しずつ言っている事がわかってきます。
どうやら、ここは夢の中なんだから、誰が何をしても結果は一緒!何しても結局は一緒!という事が言いたい様子です。夢の中だから、何もかも。何をしたって、一緒!まぁ、なんとなく言いたいことはわかります。しかし、問題なのはここは夢ではなく現実であるという事。
訪問看護の方と話、やはり入院が妥当という結果に。そりゃそうです、このままおいておけません。今回は、以前入院していた病院が受け入れOKとのこと。良かった。ただし、明日連れてきてくださいとの条件が…一晩がヤマになります。大丈夫かな…
とりあえず、そんな状態でいたこともあり食事をしていません。お腹がすいたかどうか確認します。質問が質問で返ってきます。お腹すいた?と。何度か繰り返すと、食べる!との返事が。スタッフにおにぎりを買ってきてもらいます。そして本人の口に運びます。
今まで、全部一緒!ぜ~んぶ一緒!と言っていた本人が、おにぎりを食べた時だけ…
全然違う!!!!全然違う!!!!
不謹慎なのかもしれませんが、思わず笑ってしまいました(笑)ツッコミました(笑)
何でおにぎりだけ違うのって(笑)
そして、本当に何でおにぎりだけ違うんだろうと思ったんですが、よく考えたら単純に「おいしさ」を感じたのじゃないかと思います。今、夢の中なので何をやっても現実味がなく、感覚も鈍っていたところに、おいしいおにぎりが口の中に入ってきたんですから、それは驚くかもしれませんね。しっかり食べてくれました。
本番は明日の朝、眠剤を飲ませて寝てもらいます
とりあえず、寝付くまで見守ります。眠剤を飲んで2時間もたたないくらいのタイミングでいびきをかき始めました。とりあえずは安心です。あとは覚醒後に病院に行くまでの時間、大丈夫かどうか。そこはもうなるようにしかならないので自分も明日に備え、帰宅します。
翌朝…
とりあえず夜中に連絡はありませんでした。安心はできません。ドキドキしながら本人の自宅へ向かいます。まだ寝ていてくれと願います。でもやっぱり、普通ではありませんでした。
タバコを吸った形跡、というかタバコの灰皿をぶちまけています。その中に千円札がいっぱい散らばっています。本人は全裸で灰まみれでした。なかなかのインパクトです。
声かけして、病院に行くことを伝えます。本人もまともではないのですが、不調であることはわかるのでしょう、病院へ行くと言ってくれます。まずは、この状況を収集していきます。しばらくするとヘルパーもやってきます。一緒に片付けをします。ヘルパーと話します。今回は今までとは比べ物にならないくらいの状態でしたね、と。でも、彼も一流ヘルパーです。動じることなく、淡々と対応してくれます。
入院までは特に何もなくスムーズでした。一安心。
三日もたつと、普段の調子に戻っていました。やっぱり病院はなんだかんだ安心できる環境なのかなぁと。そこから2週間ほど入院して、また元の生活に戻ることができました。
皆さんはこんな場面にはなかなか遭遇しないでしょう。でも、実際はそれほど怖くもないですし、不調時だけこうなるんだとお伝えしたいです。だからもし、周囲の人に精神疾患があるという事がわかっても、今まで通りに接してほしいと思います。何も怖くないんです。それは思い込みで、知らないことに対する不安です。ここを読んで、少しでもそういった場面を追体験してもらうことで、怖いと考えなくてもいいことを知ってもらえればうれしいです。状態が安定していれば、普通の人と何ら違いはありませんよ。そして、もしその人に何か変調を感じた時には、疲れてない?って声かけしてあげてください。その程度のことで十分です。あとは医療、福祉ができることをします。
外部リンク:【精神科医が解説】統合失調症の症状(陽性・陰性)・経過と治療方法
精神疾患の大きな原因となるのは不眠です。不眠を解消するためのアイテム10選!をご紹介。
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