障害者雇用枠での採用試験の企業面接では、自分のスキルや経験だけでなく、障害についてや働く上でのさまざまな事柄について質問されます。あらかじめどのようなことを聞かれるのかを調べて答えをまとめて、落ち着いて企業面接に向き合いましょう。
企業面接において、嘘はつかない、正直に対応することはもちろん当然ですが、それら多くの問題にもこれには該当してほしくない事柄がいくつかあります。
その中でも、大きな問題点を3つ選んでご紹介します。
★障害者雇用枠の企業面接において、あなたがやってはいけないこと。
①「できること」と「できないこと」が明確でない。
➁企業面接官の質問に対してあなたの「回答がズレる」。
③同じ職場で働く上での「素直さ」が感じられない。
一つずつ見て行きましょう。
①「できること」と「できないこと」が明確でない。
まず不採用になる1つ目の問題は、「できること」と「できないこと」が明確でないという点になります。
面接では、書類選考ではわからない部分や詳細内容を改めて確認していきますが、その際に企業側が知りたいのは、あなたが「できること」と「できないこと」です。
企業側が、あなたに任せたいこと・企業に必要な合理的配慮がわかれば受け入れ可能どうかの判断がしやすい。
「できること」と「できないこと」が明確だと、企業側は任せたいことや(※)合理的配慮がよくわかり、受け入れ可能かどうか判断がつきやすくなります。
※合理的配慮とは、平成28年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」では、障害のある人への不当な差別的取り扱いを禁止し、合理的配慮の提供を求めています。(障害者差別解消法)
一方、「できること」や「できないこと」が不明確だと、
企業側は、
・何を任せればよいのかわからない。
・どのように受け入れ体制をとればよいのかわからない。
・合理的配慮をどうすれば良いのかわからない
このように、相手がわからないことが多いとリスクを回避するために不採用という判断になってしまいます。
「できること」「できないこと」を整理する。
あなたにぴったりな求人だったのに、コミュニケーション不足のために不採用になってしまっている、というのは非常にもったいないことです。
そのような事態を防ぐために「できること」と「できないこと」をまとめて整理しましょう。
スキルや能力面においては過去の働いた経験や職業訓練歴、資格などをまとめてみましょう。
➁企業面接官の質問に対してあなたの「回答がズレる」。
不採用になる理由の2つ目の問題は、企業面接官の質問に対してあなたの「回答がズレる」ということがあげられます。
質問に対して“回答がズレる”ということは、企業面接官が求めている回答に対してズレているということです。
つまり、相手が求めていることに対してあなたが理解できてない可能性があります。
これを仕事上に置き換えると、ミスにつながりやすくなると判断され、不採用になってしまう可能性が非常に高まります。
上手く話せなくても良いので、企業面接官が知りたいことに対して「回答がズレない」ことが大切になってきます。
回答をズラさないコツは「結論」「理由」「詳細内容」の順で話すこと。
質問に対する回答がズレないようにする対策として、「結論」から話すことを心がけましょう。
その後に、「理由」や「詳細の内容」について付け加えます。
そうすることによって、質問に対してズレる可能性がなくなります。
質問内容がわからない場合は確認してから回答する。
ズレない回答をするためにもうひとつ重要なのが、質問の内容がわからない場合は必ず聞き返して、何を答えたらいいのか理解してから答えるようにすることです。
分かったふりをせずに、正直に聞き返しましょう。
③同じ職場で働く上での「素直さ」が感じられない。
不採用になる理由の3つ目として、働く上での「素直さ」が感じられないというものがあげられます。
これは、性格の素直さではなく、働く「意識」や「姿勢」としての「素直さ」です。
スキルや能力は入社後に働いていく中で伸ばすことができます。
また、障害については、必要な配慮や周りのフォローによってある程度柔軟に対応することができます。
しかし、本人の働く「意識」や「姿勢」の素直さについては、会社側はなかなか変えることが出来ません。
働く上での「素直さ」とは「協力する姿勢」と「周りに言える姿勢」である。
働く上での「素直さ」とは、大きく分けて2つあると考えられます。
1.協力する姿勢(=協調性)
1つ目は、協力する姿勢(=協調性)です。
「協調性」と聞くと、仲良くなる・コミュニケーションを取る、ということだと考えてしまいがちですが、決してそうではなく、協調性とは、仕事に「素直」に協力する姿勢のことです。
例えば、
・できる範囲でいいからやってみよう
・工夫してみよう
・改善してみよう
という意識があるかどうかが、働く上での「素直さ」になります。
2.素直に周りに言える姿勢
そして2つ目は、「素直に周りに言える姿勢」です。
例えば、
・「わからないので教えてください」
・「これができないのですがどうしたらよいでしょうか」
といった、困った場面や悩んだ場面で「素直に周りに言い、現状を素直に受け入れて改善しようとすること」が、働く上での「素直さ」にあたります。
これは性格の問題ではなく、誰でも意識したり姿勢を改善したりすることで取り組める部分です。
そのため、働く上での「素直さ」を意識していきましょう。
働く上での「素直さ」は、過去の失敗談の中から判断される。
それでは、働く上での「素直さ」は面接の中でどうやって判断しているのでしょうか。
・過去の退職理由
・うまくいかなかった経験(失敗談)
・人間関係で困ったこと
以上のようなことを面接の中で聞かれたことがありがちですが、こんな質問をされて嫌だなと感じた方もいるかもしれません。
しかし、これらは内容よりも「そのエピソードに対してご自身がどのような姿勢で向き合ったのか」、「どのような意識で働き周りと接していたのか」、という働く上での「素直さ」があるかどうかを確認するための質問です。
そのため、退職理由や失敗した経験などを話す際は、事実を素直に受け入れ、それを改善しようとする姿勢や意識が大切になります。
今後、働く上でも「素直さ」を大切にして、改善していこうという意識をもつとよいでしょう。
まとめ
★障害者雇用枠の企業面接において、あなたがやってはいけないこと。
①「できること」と「できないこと」が明確でない。
➁企業面接官の質問に対してあなたの「回答がズレる」。
③同じ職場で働く上での“素直さ”が感じられない。
以上をご紹介しました。
今回は、不採用になってしまう理由を企業側の目線からご紹介しました。
これらは、どのような会社でも必ずみているポイントとなります。
とはいえ、1人でしっかり準備して、整えることがなかなかハードルが高い場合もあるでしょう。
そのような場合は、障害者雇用の経験豊富な第3者意見を踏まえて、客観的に整理することをオススメします。
それでも不安になることは当然です。そんな時は、障害者転職エージェントや(※)就労移行支援サービスを受けてみるとかなり解決できるでしょう。強くオススメします。
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