就職や転職活動で、必ず提出するものの一つが「履歴書」です。多くの履歴書には自己PRを記載する箇所があり、選考における重要な材料となります。
またもっと直接的なものとして「自己紹介書」の提出を求められる場合もあります。
それら書類以外にも面接で自己アピール(以降「自己PR」とします)を求められることは少なくないため、内定を勝ち取るためには入念な対策が必要となります。
次章からは障害者の方が就職・転職活動をする際の自己PRで押さえるべきポイントを見ていきましょう。
自己PRとは単なる自己紹介ではありません。
自己PRとは、希望する仕事をするにあたって必要となる人柄や熱意、強みをアピールし、相手に認めてもらうことが目的です。つまり採用担当者があなたの自己PRを読んだ時に、「この人を採用したい!」と企業面接官に思われるような内容にする必要があります。
面接での自己PRでは、会社によって1分程度や3分以内など、時間に制限が設けられるときもあります。
もし文書でのPRで企業側から字数が指定されている場合は、指定字数の8割以上は書くことを意識しましょう。特に指定されていない場合は300~400字程度にまとめると、ちょうど良い分量となります。
自己PRで押さえるべきポイント。
自己PRはなんとなく自分をアピールするだけではいけません。ポイントを押さえて作ることで、相手に伝わる効果的な内容となります。自己PRで押さえるべきポイントを見ていきましょう。
自身の強みを伝える。
まずは自身の強みを伝えることです。ポイントは企業が求めている人物像に沿った形で、強みをピックアップすることです。仕事に直結するスキルや知識があれば、積極的にアピールしましょう。
もし、仕事に関係するスキルや知識がない場合は、長所を強みとしてアピールします。「集中力があり、何事にも根気よく取り組める」「柔軟性が高く、イレギュラーな事柄にも対応できる」などです。
根拠を具体的に伝える。
自己PRする際は、根拠も一緒に伝えるようにしましょう。ただ単に「~ができます」「~が得意です」と伝えても、企業面接官にはイメージがわきません。
「どこでの目標を何%達成することができました」「社内で○○賞をいただきました」など、その強みによってどのように会社に貢献できたかを伝えると、より説得力が増すでしょう。
具体的なエピソードを伝える。
具体的な実績がない場合には、自分の強みとともにエピソードを添えてみましょう。「お客様から感謝の声をかけていただきました」「上司から〇〇といった評価をしてもらうことができました」等、客観的なフィードバックを入れるといいでしょう。
企業・求人にマッチした人材であることを伝える。
最後はあなたが企業や求人にマッチした人材だと伝えることです。あなたが持つ強みやスキルなどと同時に、どのように貢献できるのか、そして活躍できるのかも伝えていきます。あなたを採用した際の活躍する姿を、企業面接官にイメージさせることが大切です。
予定されている業務内容をピックアップした上で、どのように活躍できるのかも伝えましょう。
自己PRを考えるためのステップ。
自己PR作成のポイントを押さえたら、実際に自己PRを作っていきましょう。実際に作成するためステップごとに見て行きましょう。
自身の経験を振り返る。
はじめのステップは、あなた自身の経験を振り返ることです。これまでの人生を振り返り、仕事や受験、資格取得、その他がんばったことについて内容を掘り下げてみます。
特に困難なことや課題となったことを思い返し、解決するために努力したことも重視してみましょう。努力の結果どうなったのか、そして出来事から何を学んだのかストーリーも整理できると完璧です。
自身の障害を客観的にとらえる。
次は、あなたの障害を客観的にとらえることです。自身では何となく理解しているつもりでも、実際に企業面接官に伝えるとなると案外難しいものです。他人に伝えるつもりで一度整理をしておくと良いでしょう。
障害の特性やできること・できないことを整理します。ポイントはできないことに対して、どのような配慮が必要なのかをセットとして考えることです。具体的な場面での合理的配慮の事項を考えてみましょう。
※合理的配慮とは、平成28年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」では、障害のある人への不当な差別的取り扱いを禁止し、合理的配慮の提供を求めています。(障害者差別解消法)
入社志望企業について調べる。
企業が欲する人物像に合わせて、自己PRをするのが最良です。
応募をする企業の採用ページや求人票などを徹底的に調べてみましょう。企業理念や目的、業務内容、独自性などを理解した上で、企業が求めるものに沿った形で自己PRをすることが大切です。
まとめ
就職・転職活動で必須となる自己PRとは、単なる自己紹介ではありません。企業が求める人物像に照らし合わせた上で、あなたの強みや長所、持っているスキル・知識を上手に伝える必要があります。
下記の通りポイントやステップに沿って考えながら、企業から好印象を得られる自己PRを作成しましょう。
☆自己PRで押さえるべきポイント。
①自身の強みを伝える。
➁根拠を具体的に伝える。
③具体的なエピソードを伝える。
④企業・求人にマッチした人材であることを伝える。
★自己PRを考えるためのステップ。
①自身の経験を振り返る。
➁自身の障害を客観的にとらえる。
③入社志望企業について調べる。
それでも不安になることは当然です。そんな時は、障害者転職エージェントや(※)就労移行支援サービスを受けてみるとかなり解決できるでしょう。強くお勧めします。
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