障害者雇用で働くことを検討されている方には以下のようなお悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
「障害者雇用枠と一般雇用枠のどちらを選べばいいのか?」
「そもそも障害者雇用枠と一般雇用枠の違いはなにか?」
「自分は障害者雇用枠で就職活動をすることができるのか?」
ここからは障害者雇用制度の目的や対象者、働く上で一般雇用枠との違い、企業側と就職者側のメリット・デメリットなどを分かりやすくお伝えします。
一般雇用枠と障害者雇用枠の働き方の違いとは。
一般雇用枠と障害者雇用枠の違いは、以下の通りです。
一般雇用枠:文字通り企業の応募条件さえ満たせば誰でも応募できる求人
障害者雇用枠:身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者向けの採用
さらに一般雇用枠において障害者の就労方法には、オープン就労とクローズ就労があります。
オープン就労:企業に自身の障害を開示して就労する方法です。
クローズ就労:企業に自身の障害を非開示して就労する方法です。
私も障害者でありますので、実際この2つについては悩みました。
一般雇用枠で働く場合
一般雇用枠の求人は、障害者手帳のあるなしに関わらず、就労条件に応じて応募することができます。
選べる職種や求人数が多く、就職活動する時点では選択肢も多くあります。
一般雇用枠は、障害のある方を採用を前提としたものではないため、障害に対する理解や(※)合理的配慮が得られない可能性があります。
ただし、一般雇用枠においてオープン就労で採用された場合は、合理的配慮を得ることができます。
※合理的配慮とは、平成28年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」では、障害のある人への不当な差別的取り扱いを禁止し、合理的配慮の提供を求めています。(障害者差別解消法)
障害者雇用枠で働く場合
障害者就労枠の求人は、障害者手帳を持っている方が応募することができます。
面接・入社の際に障害に関する相互理解を図ることで、障害に合理的配慮された働き方がしやすくなります。
厚生労働省のデータによると、障害のある方の就職後の定着率は、障害者雇用枠と一般雇用枠それぞれにおいてのオープン就労とクローズ就労では大きく差がついています。得てしてオープン就労の方が定着率は高いです。
オープン就労のメリット/デメリット
では、オープン就労を利用した際には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。ここからは、考えられるメリットとデメリットについて詳しくご説明します。
オープン就労のメリット
オープン就労のメリットは、「求人」「環境・待遇」「定着」という3つの側面に分けられます。
【求人】
オープン就労の求人の中には、実務経験やスキルを問わないものがあり、比較的就労への第一歩を踏み出しやすいといえます。これまでに働いた経験がない方でも、安心して仕事を始められる可能性があります。
さらに、採用後のギャップをなくすために、選考の中で業務を体験(トライアル雇用など)できる企業もあります。このような場合には、事前に業務内容をしっかりと理解し、自分の特性を活かせるかどうかを確認した上で、選考に進むか判断できます。
※トライアル雇用とは、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則3か月間試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、期間の定めのない雇用への移行のきっかけとしていただくことを目的とした制度です。労働者と企業がお互いを理解した上で無期雇用へ移行することができるため、ミスマッチを防ぐことができます。
【環境・待遇】
オープン就労を行っている企業は、環境面でも意識面でも必要な合理的配慮を行っているところが多いです。周囲からの理解も得やすく、働きやすい環境といえるでしょう。
障害のある方は、通院などのために、勤務時間の調整が必要となる場合も多くなります。オープン就労枠で採用された場合は、そのような事情も合理的配慮され、勤務時間の調整も相談しやすくなります。
さらに、業務内容についても調整してもらいやすいので、無理なく働けるでしょう。
【定着】
障害のある方の場合、クローズ就労枠よりもオープン就労枠で採用された方が、その企業に定着しやすい傾向にあります。
厚生労働省職業安定局の調査によると、障害者求人でオープン就労の1年後の定着率は70.4%です。一方で、一般求人でオープン就労の場合の1年後の定着率は49.9%。クローズ就労の場合の定着率は30.8%にとどまります。
参考:障害者職業総合センター
オープン就労のデメリット
オープン就労には多くのメリットがある一方で、「求人」「待遇」においてデメリットも存在します。
【求人】
オープン就労は、クローズ就労よりも求人数が多くありません。そのため、一般求人と比較すると自分に合った仕事を見つけるまで時間がかかる可能性があります。
【待遇】
クローズ就労と比較すると、「非正規雇用」や「時短労働」といった要因によってオープン就労の給与水準は低いことが多いです。
業務時間や業務内容に配慮してもらえる代わりに、給与に影響があります。
クローズ就労と人事制度が異なり、昇給や業務のローテーションがなく、同じような業務が続くという企業もあります。また、契約社員やパート・アルバイトといった有期雇用契約からスタートすることが多いという傾向もあります。
クローズ就労を目指す方へ
求人の多さや給与面の良さから一般雇用枠のクローズ就労を目指される方もいらっしゃることでしょう。クローズ就労には、例えば会社にはオープン就労にして、同僚社員にはクローズ就労する場合もありますが、仕事がやりにくくなりやすい場合があります。
クローズ就労を選んだ場合、合理的配慮を会社に求めにくく、病状や体調の悪化を招いたり、障害特性が周囲に理解されなかったりなど心配点があります。
クローズ就労の場合でも、問題なく就労できるためのスキルを身につけましょう。
例えば、
①障害特性や症状を「苦手」として伝えるスキル
自分の障害特性を「苦手なこと」と周囲に伝えたうえで、助けを求められる環境を作ると良いでしょう。周囲に助けてもらいながら働くける環境を作りましょう。
➁自分で対処できるスキル
障害による症状や特性が働くうえで困る場合は、自分で対処できるようにしましょう。そのためには、働くうえでどんなことに困る可能性があるか、自分自身で知っておくことが大切です。
オープン就労への壁
これまでを総称すると、障害のある方に障害者雇用枠や一般雇用枠においてのオープン就労の方がメリットが多く感じられます。
では、どうしたらオープン就労ができるのでしょうか。
「障害のことを知られたら不採用になるのではないか?」
「そもそもオープン就労を受けてくれる企業はあるのか?」
ひとりでは心配な面が多くあることでしょう。
そこで就労支援機関を利用すると良いでしょう。就労支援機関には、(※)就労移行支援サービスをはじめ、地域障害者職業センターや、障害者就業・生活支援センターなどがあります。
これらの機関は、就労を目指す障害のある方と企業の間に立って、オープン就労やクローズ就労についても同じ輪に入って協議してもらえます。ノウハウも多く、一人で挑戦するよりも心強いものがあります。
※就労移行支援サービスとは、障害のある方の社会参加をサポートする、国の支援制度で障害者総合支援法という法律に基づいた、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。
一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象に就職に必要な知識やスキル向上のためのサポート、就労への促しや斡旋、合理的配慮の話し合い、企業への就業定着支援のサービスを行います。
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③パーソルチャレンジ・ミラトレ
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まとめ
一般雇用枠と障害者雇用枠について、オープン就労やクローズ就労を折りませてご説明してきました。
求人の多さや給与面から一般雇用枠のクローズ就労に求めがちです。それなりの覚悟があれば、それもありです。
しかし障害者の皆さんには、オープン就労をお勧めしたいのです。その方が断然メリットがあります。
自ら行動できなければ、就労支援機関を利用すると良いでしょう。
それでも不安になることは当然です。そんな時は、障害者転職エージェントや就労移行支援サービスを受けてみるとかなり解決できるでしょう。強くお勧めします。
私も就労移行支援サービスを受けました。
自信をもっておススメします。
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