退院後、自宅での生活が難しいと感じている方へ

病院から「退院できます」と言われても、すぐに自宅で安心して生活できるとは限りません。

退院できる状態であることと、退院後の生活が日常的に成り立つことは、別の問題です。

特に、脳梗塞後の後遺症、脊髄損傷、頚髄損傷、精神科病院からの退院、長期入院からの地域移行などの場合、 住まいの環境と生活支援の体制を丁寧に考える必要があります。

この記事では、退院後に自宅での生活が難しいと感じている方やご家族へ向けて、 住まい選びと支援体制についてまとめています。

車いすでも移動しやすい広い廊下

「退院できる」と「生活できる」は違います

病院では、医学的に状態が落ち着き、退院可能と判断されることがあります。 しかし、退院後の生活では、病院とは違う課題が出てきます。

自宅に段差がある、浴室が狭い、トイレまでの動線が難しい、ベッドからの移乗に介助スペースがない、 夜間に見守る人がいないなど、実際に暮らし始めてから困ることも少なくありません。

特に、入浴と排泄は大きな課題になりやすい部分です。 身体状況によっては、自宅の浴室やトイレでは安全に支援することが難しい場合があります。

そのため、退院後の生活を考えるときは、「自宅に戻れるか」だけでなく、 「その生活を無理なく続けられるか」を確認することが大切です。

自宅+居宅介護だけでは足りない場合があります

退院後、自宅で居宅介護を利用しながら生活することは大切な選択肢です。 一方で、自宅の環境によっては、居宅介護だけでは支えきれない場合もあります。

自宅がバリアフリーではない場合、支援者が入っても、介助そのものが難しくなることがあります。 入浴、排泄、移動、夜間の対応などを日常的に支えるには、住環境そのものが大きく影響します。

自宅+居宅介護で生活するよりも、バリアフリーに配慮された住まい+居宅介護の方が、 本人にとっても支援者にとっても、安全で安心しやすい場合があります。

退院後の暮らしは、サービスの量だけでなく、そのサービスを安全に提供できる場所かどうかも重要です。

身体介護は、家族だけで継続するには大きな負担になります

退院直後は、ご家族が「自宅で見ます」と考えることもあります。 しかし、身体介護を毎日継続することは、想像以上に大きな負担になります。

最初は何とかできていても、入浴、排泄、移乗、夜間の対応、体調変化への不安などが続くことで、 ご家族が疲弊してしまうこともあります。

また、本人自身も「家族に迷惑をかけたくない」と感じていることがあります。 一人暮らしで誰にも迷惑をかけずに生活したいという思いを持つ方も少なくありません。

ただし、居宅介護+自宅だけでは、支援の時間や住環境の面で足りないケースもあります。 その場合は、無理を続けるのではなく、支援を受けやすい住まいを検討することも大切です。

入浴支援を毎日整えることは簡単ではありません

退院後の生活で特に課題になりやすいのが入浴です。

病院では入浴設備や職員体制が整っていても、自宅に戻ると同じようにはいかないことがあります。 浴室の広さ、段差、浴槽の形、介助スペース、リフトの有無によって、安全に入浴できるかどうかが変わります。

また、居宅介護サービスを利用していても、毎日入浴支援を整えることが難しい場合があります。 本人の希望に沿いたくても、サービス提供体制や支給量の関係で、思うように組めないこともあります。

退院後の住まいを考えるときは、「どこで暮らすか」だけでなく、 「どうやって清潔を保つか」まで具体的に考える必要があります。

ストレッチャー浴槽

脳梗塞後や脊髄・頚髄損傷による身体障がいの場合

脳梗塞後の後遺症や、脊髄・頚髄損傷などにより身体障がいがある場合、退院後の住まい選びはとても重要になります。

知的な理解力に大きな問題がない方の場合、施設入所支援の利用に抵抗を感じる方も少なくありません。 「できるだけ自宅で暮らしたい」「施設ではなく、地域の中で生活したい」と望まれる方も多くおられます。

家族の支援があるうちは、自宅での生活を続けられる場合もあります。 しかし、家族の介護力が不足してきた場合や、夜間の見守り、入浴、排泄、移動などの支援が必要になった場合、 居宅介護だけでは生活全体を支えきれないこともあります。

退院後の暮らしを考えるときは、「どのサービスを使うか」だけでなく、 そのサービスを安全に提供できる住環境があるかどうかも大切な視点になります。

精神科退院後や地域移行の場合に確認したいこと

精神科病院からの退院や、長期入院から地域生活へ移行する場合には、 住まいだけでなく、日常生活をどのように支えるかを丁寧に確認する必要があります。

病状が慢性化している場合、食事、服薬、入浴、排泄、更衣、移動、清潔保持など、 日常生活の場面で判断が難しくなったり、正確な動作が難しくなったりすることがあります。

そのような場合、単に「体が動くかどうか」だけではなく、 本人が安全に、清潔に、安定して生活できるかという視点から、必要な支援を整理することが大切です。

状態によっては、身体介護などの障害福祉サービスが支給される可能性もあります。 退院前から、病院の相談員、相談支援専門員、行政、福祉事業所と連携しながら、必要な支援内容を確認していくことが重要です。

利用できる支援は、制度や状況によって変わる場合があります

退院後の生活では、介護保険、障害福祉サービス、生活保護など、 利用している制度によって支援の組み合わせが変わる場合があります。

年齢や障がいの状況、特定疾病の有無、生活状況によっても利用できるサービスは異なるため、 「どの制度を優先して使うのか」を整理する必要があります。

そのため、退院前から病院の相談員、相談支援専門員、行政、福祉事業所などと連携しながら、 退院後の生活を具体的に考えていくことが大切です。

緊急時、自宅では急な対応が難しいことがあります

退院後、自宅で生活している場合、急な体調変化や生活上の困りごとが起きたときに、 すぐに対応することが難しい場合があります。

夜間の転倒、排泄の失敗、精神的な不安定さ、服薬の乱れ、急な通院の必要など、 生活の中では予測しにくい出来事も起こります。

緊急で短期入所を利用できればよい場合もありますが、空きがないこともあり、 急な受け皿を確保することは簡単ではありません。

支援体制のあるシェアハウスでは、基本的に誰かの支援に入っている状況があるため、 生活の中に見守りの機能を内包しやすいという特徴があります。

「迷惑をかけたくない」という思いを支援で受け止める

退院後、「家族に迷惑をかけたくない」「一人で何とかしたい」と考える方も多くおられます。

その思いはとても大切です。 ただ、無理に一人で抱え込むことで、食事、清潔保持、服薬、夜間の不安、孤立などの問題が大きくなることもあります。

大切なのは、迷惑をかけないように一人で我慢することではなく、 必要な支援をうまく使いながら、本人らしい暮らしを続けることです。

適度な距離感を保ちつつ、安心して生活できる環境を整えることが、本人にとっても家族にとっても大きな安心につながります。

宮崎市で退院後の住まいに不安がある方へ

いちょうハウスは、宮崎市にある障がい者向けシェアハウスです。 車いすでの生活、夜間の見守り、日常生活の支援について相談できる住まいです。

いちょうハウスで受けられる支援も、制度上は居宅介護サービスが中心になります。 ただし、スロープ、広い廊下、居室内トイレ、浴室リフト、ストレッチャー浴槽などの設備が整っているため、 介護される側にとっても、支援する側にとっても、安心して生活を組み立てやすい環境があります。

また、夜間の見守りやオンコールについても相談できます。 自宅での生活に不安がある方、退院後の住まいを探している方、家族だけで支えることに限界を感じている方は、まずはご相談ください。

宮崎市の障がい者向けシェアハウス

いちょうハウスでは、車いすでの生活や夜間見守り、生活支援についてご相談いただけます。

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