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障がい福祉で独立 5章 事業資金を用立てる

創業資金 借入障がい福祉の制度のこと
資金を用立てる先は…?

創業資金であれば日本政策金融公庫一択です

日本政策金融公庫での借り入れが最も簡単で、金利も安いと思います。ほかの選択肢はないのではなかろうかと思います。事業資金ですから、事業計画は当然作って持っていく必要はあります。普通の銀行さんと比べると、資金の使途についてあまり聞いてこない、というか何に使ったのかの確認はないです。ざっくりと、設備資金、運転資金、みたいな感じです。事業計画はしっかりと作りこむ必要はあります。税理士さんなどが、融資の援助をしてくれるサービスもありますが、必要ないと思います。自分で資金繰りくらい考えられなければ経営者としては厳しいのではないのでしょうか。

私のケースでお話をします。まず、相談支援事業で独立しました。当初、アルバイトしながらでもやっていくつもりでしたが、事業開始と同時に2か所、相談支援事業所が閉鎖となるので引き継ぎをすることになりました。そこで慌てて借り入れを起こすという事態でした。自己資金もそこそこに借りれるかどうか全く不透明でしたが、やらずに諦めるより、一度挑戦してみようと思い突撃しました。

創業資金として申し込みできるとわかり、さっそく向こう3年分の事業計画を作成。引継ぎする2か所の利用者さんたちがいること、そしてその収入がどのくらいになるのか計算。さらに、新規獲得のペースを割り出し、1年ほどで損益分岐点は超えれる形で作成しました。借入額は240万。当初半年分の運転資金でした。結果から言うと見事融資決定。例のあまりないビジネスモデルであったことは、説明に苦労しましたが、請求先が国保連合ということもあり、お堅い商売として認識いただけたという印象でした。

融資を通すコツ
本気で考えて、綿密な事業計画を作成しましょう。そして、資金繰り表を作りましょう。収入の根拠を語れるように理論武装します。公庫の担当者のあらゆる質問に、よどみなく答えることができるかどうかです。今回は、かなりレアなビジネスモデルということもあり、逆に理解してもらえるまで時間をかけて語ることができたのは良かったです。

これは自分にとっても良かったことです。その計画に沿って動いていけば必ず成功すると感じられるものでしたから、新規獲得数などは良い目安となりましたし、クリアすることで安心感を得ることができました。

コツはほとんどこれだけだと思います。なぜ、ビジネスとして成立するのかしっかりと立証する。特に収入の根拠は絵空事ではいけません。もちろん、机上の理論ではあるのですが、それが納得できるだけの説明ができるのかどうかです。今回のケースだと、2か所の利用者さんたちを引き継ぐことで80名ほどの新規利用者を一気に確保することができるから、アルバイトしている暇はなく、お金を借りてこの追い風を満身に受け止めたいと伝えたのみです。
B型開所のケースでは、相談支援専門員としてすでに多数の利用者さんを抱えており、最大の課題である集客について大きなアドバンテージを持っているから、この大きなビジネスチャンスを逃したくないと伝えたのみです。

もう一つ言えることは、公庫の担当者が今度は上役に稟議をかける、ということです。要するに、担当者に自分の想いをなるべく伝えていなければ、稟議にかける時に、担当者が上役にうまく説明ができません。担当者は敵ではありません。上に掛け合ってくれる頼もしい仲間です。そういうつもりでお話をするようにしましょう。論だっていて、熱意もあれば担当者も感化されて、一緒に頑張ってくれます。

融資の申し込みは指定申請と同時に

指定申請の書類を提出したら、同時に融資の申し込みをしましょう。指定はもらえる体で話をしましょう。それで問題はありません。それだけの打ち合わせを自治体としていれば自信をもって対応できると思います。

融資決定後、指定番号等を公庫に報告します。公庫は国の機関です。創業してもらって、雇用と税収を増やすことを目的にしています。十分にビジネスとして成立していることさえ伝えることが出来ればよい結果がもたらされると思います。

融資申し込み、審査、着金までおおよそ1ヶ月程度時間がかかります。しっかりとスケジュールを確認して、いつ着金すれば開所予定日に間に合うのか考えながら実施していきましょう。

事業計画の立て方がわからない場合

加算内容単位数
BⅠ566
福祉専門職配置加算Ⅰ15
目標工賃達成指導員配置加算89
送迎加算Ⅰ(往復)42
合計712
B型の場合です。

これが、私が融資を受ける際におひとりあたりの収入の根拠として示した資料です。BⅠの基礎報酬566単位、福祉専門職配置加算Ⅰ15単位、目標工賃達成指導員配置加算89単位、送迎加算片道21単位の往復で42単位、合計712単位です。1単位は10円です。地域によっては違う場合がありますが、10円で計算していればおおよそ大丈夫だと思います。福祉専門職配置加算は、有資格者がいるのかいないのかで取れない場合もあります。

上記の表で行くと712単位。おひとり送迎で通所してもらえると7120円の収入となります。この情報があれば、何人通所してもらえるかで一日の収入が想定できると思います。1日当たり何人来てもらえるか、おおよそわかれば月の収入は割り出せると思います。あとは、1年後くらいに損益分岐点を超えられる形で曲線を描く利用者確保数を考えればよいだけです。あまり無理のない形で、現実的なものを作る方が良いと思います。

経費について
ここは、職員給与によると思います。高く設定すると、全体的な経費は200~250万程度になるとおもいます。私の事業所は、一番安い給与設定で20万。職員体制は7名。おおよそ230万円ほどの経費になっています。

社会保険     356,981
リース代       56,980
電気代       31,608
水道代         2,280
借入金返済     150,307
給与  1,473,804
工賃・顧問料・家賃等     422,956
税金     128,118
リコー       16,842
アルソック       13,200
クレジットカード       59,281
車両保険       52,780
電話代       16,420
サニクリーン         2,970
支払手数料         8,690
雑費                 –
小口現金払出     100,000
支出合計  2,893,217

赤裸々すぎるかもしれませんが…とりあえず晒してみます。200万~250万と言いましたけどそれより高いですね(笑)この月は税金の支払いがありましたので高くなっていますね。
かなりリアルな数字と思います。送迎車が5台でおおよそこのような感じになるんじゃないかとおもいます。内訳だけでも参考にしてもらえればと思います。

このような数字をもとに、事業計画を作成してみて下さい。思うようにいけばこれほど楽なものはないのですが…

やり始めてから見えてくる課題がいろいろあります。それはまた後の章でお話します。

お金は出ていきますよ~。思っていた以上に。

しっかり作った事業計画と想いがあれば…

きっと問題なく融資を受けることが出来ると思います。
信用情報に自信がない人(過去に金融事故がある)も、公庫であればチャンスはあります。
ぶっちゃけ、私もそうでした。一度、個人事業主として失敗した過去があります。多分、普通の銀行での融資だったら謝絶されていたと思います。
公庫はチャレンジする人の味方です。間違いないと思います。その代わり、このチャンスを必ずものにする!という強い気持ちが必要だと思います。

さすがにNGと思われる場合
・破産して間もない(3年ほど経過している場合ワンチャンあると思います)
・滞納ほったらかし
・税金滞納

これらがなければ、チャレンジしてみるのも一興です。

では、次の章で。

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