職務経歴書とは、履歴書とは別に、職歴を詳しく記載し能力・スキルや経験をアピールする書類であり、基本的に履歴書と同時に提出を求められます。
職務経歴書は、これまでの職歴を一覧化した書類です。履歴書と違って職務経歴書には決まったフォーマットがないので、自分なりに書き方やレイアウトを工夫することもできます。自己アピールにつながる重要な書類ですので、具体的な職歴やスキルをわかりやすく書くことがポイントです。
文章を書き連ねるだけでは見にくくなってしまうので、見出しをつけてまとめると見やすいでしょう。以下のような見出しに合わせて、作成してみてください。
職務経歴書を作成する順番として、下記の通りがあります。
①職務経歴書の準備をする。
➁職務経歴書を作成する前にすることは。
③職務経歴書を作成する。
①職務経歴書の準備をする。
職務経歴書を書くにあたって、その基本情報を集めることも重要ですが、資料を揃えることは比較的楽な作業になります。
そこで以外と書くのが難しい「職場であったポジティブなエピソード」また、とても書きずらい「職場であったネガティブなエピソード」を書くと、企業面接官が以前はどのような状態で働き、どのような配慮がされていたなど、イメージがしやすくなります。
ここでいう「ポジティブなエピソード」とは、業務成果が上がったことや業務の充実感、努力した業務のこと、満足したことなどです。逆に「ネガティブなエピソード」は、業務で失敗してしまったことや挫折したこと、苦労したことがあげられます。特にネガティブなエピソードは辛いことが多いので書きづらいですが、そのあとの企業側において合理的配慮につながるので、前向きに書きましょう。
※合理的配慮とは、平成28年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」では、障害のある人への不当な差別的取り扱いを禁止し、合理的配慮の提供を求めています。(障害者差別解消法)
☆ポジティブエピソードのヒント
・何を成し遂げたのか。
・何をして、どんな成長をへとつながったのか。
・経験することでどんな変化があったのか。
・何をした際にやりがいや満足感を得られたのか。
★ネガティブエピソードのヒント
・何が困ったのか。
・何が不満だったのか。
・何ができなかったのか。
※そこから自分がどう動いたのかも添えて書くと良い。
退職理由は、志望動機と同じくらい企業面接官が気になるポイントです。体調のことや退職理由に一貫性があるか、退職理由を述べるときに他人のせいにしていないかなどがチェックされます。
前職の退職理由が克服できていなければ、入社してもすぐに辞めてしまいかもしれないと不安にさせてしまい、採用が見送られてしまうこともありえます。しっかりとポイントを押さえて答えましょう。
体調不良やコミュニケーションが取れなかったなど、退職理由はさまざまです。正直に話すことが基本ですが、ネガティブな印象が残らないようにするのがポイントです。
「障害があることで周囲に遠慮してしまい、コミュニケーションがうまく取れず退職してしまいましたが、その後カウンセリングを受けて、コミュニケーションの取り方に自信が付いて、また働きたいと思えるようになりました」というように、退職理由をカバーすることで、イメージを悪くすることなく退職理由が伝えられます。
➁職務経歴書を作成する前にすることは。
職務経歴書は、A4用紙1~2枚に収めましょう。それ以上になると面接官も大変な作業になります。企業側は、要点をまとめる力も見ています。常に企業側の目線に立って、書くようにしましょう。
応募企業によって項目の重要度の順番を変えたりすることも効果的です。その企業が何を求めているかを考え、自分の持つスキルを前面に出して作成しましょう。企業のニーズに応えるべく、その企業のことを研究することも大事です。
職務経歴書を作るにあたって、自分のスキルをアピールするためには、企業を研究していかなければなりません。企業のパンフレットやホームページを見たり、企業見学をするとその企業を知ることができます。「企業はどういった人材を求めているのか」「自分はどういったスキルをアピールすると良いのか」といった企業視点から見た企業研究をしてみましょう。
③職務経歴書を作成する。
職務経歴書を作成する順序は下記の通りです。
①作成準備をする。
➁企業研究する。
③職務経歴書を作成する。
①➁の資料を使って、職務経歴書を作成しましょう。
先にも述べたように職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、インターネット転職サイトを探すと書きやすいフォーマットも多数揃っています。自分に合ったフォーマットを使うのも良いでしょう。
ここで一から作成すれば、文書作成能力をアピールできるので、ぜひ自作にもトライしてみましょう。
★職務経歴書の基本構成は、下記の通りです。
①職務要約
企業側では多くの応募書類に目を通すため、自分のこれまでの職務経歴を要約した100文字前後の職務要約があると読みやすくなります。
➁職務経歴
どのような会社で、どのような業務を担ってきたかについて記入します。
「この仕事をして得られたこと」や「プラスになった経験」などポシティブなエピソードを加えることも効果的にアピールできます。
・所属していた企業の事業内容や資本金などの基本情報
・所属していた時期や担当していた業務内容
※実習歴やアルバイト・パート歴もアピールポイントに入る場合がある。
職務経歴書の職務経歴欄を書く際は、一番初めの職歴から順番に書きだします。
前職と応募する企業が同じ職種ならば、その前の業種がキャリアになりますので細心の経歴から書いてもよいでしょう。
③資格・免許。
・保有している資格は、応募先で活かせるスキルから書きましょう。
・取得した順に記載し、同じ資格で2つ以上、級を取得している場合は、上位の級を記入しましょう。
・資格名は、正式名を記入しましょう。
④自己PR
仕事に対する思いや、入社後どう活躍したいのか、チャレンジしたいことを記入し、ハンディになりそうなことは、自己PRでアピールポイントに変えて記載しましょう。
★職務経歴書を書く際のNGとポイントを見てみましょう。
〇職務経歴書の書き方のNGポイント
・必要以上に文章が長い。
・専門用語や業界用語を使用する。
・業務と関係ない趣味や特技を書いてしまう。
・誤字脱字がある。
・枚数が3枚以上と多い
〇読みやすくする職務経歴書の書き方のポイント
・レイアウトを整理する。…見出しを付けてどこに何が書いてあるのかわかりやすくする。「職務要約」など。
・見出しのフォント数は14pt(明朝体)を目安にする。
・文章が長くなりすぎないように、端的に書く。…箇条書きでまとめるなど。
・具体的、客観的に書く。…成果やパソコンスキルなどは数字を用いるなど。
・内容のフォント数は10.5pt(明朝体)を目安にする。
・A4用紙で1~2枚に収める。
・嘘は書かない。
おわりに。
職務経歴書の作成準備をするのとしないとでは、その後の作業性や内容の質に差が出ます。
また、これまでの職歴を振り返ることは、自己分析となり面接の準備になるでしょう。
様々な職務経歴書のフォーマットに書きだし、自己アピールできるものを選びましょう。
★職務経歴書を作成に当たっては、下記の手順を踏みます。
①職務経歴書の準備をする。…職場であった「ポジティブなエピソード」や「ネガティブなエピソード」で書くと企業面接官もイメージしやすくなるなります。「ネガティブなエピソード」はそれらを克服したことで終わると良いイメージに取られます。
➁職務経歴書の作成前にすることは。…職務経歴書はA4用紙1~2枚にまとめましょう。要点をまとめる力も見られます。職務経歴書を書くには、企業研究はとても重要です。書き方や情報収集に力を入れましょう。
③職務経歴書を作成する。…基本構成は、「職務要約」「職務経歴」「資格・免許」「自己PR」になります。前述のポイントを押さえて書きましょう。
それでも不安になることは当然です。そんな時は、障害者転職エージェントや(※)就労移行支援サービスを受けてみるとかなり解決できるでしょう。強くお勧めします。
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一般企業への就職を目指す障害のある方(65歳未満)を対象に就職に必要な知識やスキル向上のためのサポート、就労への促しや斡旋、合理的配慮の話し合い、企業への就業定着支援のサービスを行います。
以上で、職務経歴書の書き方の説明を終わります。
一度書いたら終わりでなく、何度も読み返したり、自己分析、企業研究を繰り返して何度も書いてみましょう。書くごとに良くなっていくでしょう。
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