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クルマを楽しもう! ~その3「構造のメカニズム・曲げると止まる」~

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ようこそ!

ようこそクルマの世界へ
前回に引き続きクルマの構造のメカニズムについて談義したいと思います。
なるべく専門用語は使わず、簡単にお話ししたいと思いますので、お気軽にお読みいただけると幸いです。
それではスタートです!

クルマを曲げて走らせてみよう

前回でクルマは走り出しました。

次は、クルマを曲げて走らせてみましょう。
当然ですが、クルマを走らせながらステアリング(ハンドル)をきれば、クルマは曲がりはじめます。
しかしもっと速度を出して、もっとステアリングをきると、クルマは曲がらなくなったり、曲がりにくい時が出てきます。
ではこの時、クルマにはどうなっているのでしょう。

その原理をお話する前に、曲がることに必要な構造物をお話しておきましょう。

クルマを曲げるしくみ

まずはクルマのタイヤ周りにある足回り(サスペンション)についてのお話です。

サスペンションの構造を簡単に分ければ、クルマの車体とタイヤ等を繋げる「サスペンションアーム」と、クルマの車体への衝撃とバネのはねを収縮減衰させる「ショックアブソーバー」クルマのはねを受け止めるバネである「スプリング」によって構成されています。
サスペンションは、路面から車体に受けた衝撃をスプリングで受け止め跳ね上がる車をショックアブソーバーで減衰収束させます。もともと、悪路から乗車している人を守るための装置なのですが、ここでは曲がるためにも一役買っているのです。サスペンションはタイヤそれぞれに備わっているのですが、その組み方は各種あり、クルマの車格や性格に合わせて選ばれています。

次に、直接タイヤを曲げる装置です。手からステアリングの回転をサスペンションに繋げる「ラックアンドピニオン」があります。ステアリングの軸の先にあるピニオンギアが、ラックと言われる歯がついたレールの上を回り、レール自体を左右に動かします。このラックがタイヤのアームを押し引きしてタイヤが曲がる方向へ向くのです。

それだけではクルマは曲がれないので、左右の駆動輪タイヤの間に「デファレンシャルギヤ(差動装置)」が存在します。真っ直ぐに走ることには必要ないのですが、クルマは左に曲がるには、右タイヤは左タイヤより多く回り、左タイヤはより少なく回らなければ、左に曲がれません。そのためのデフです。
ただデフによって曲がりやすくなるのですが、片輪が浮いてしまうと接地している側の駆動力が失われるという構造上の欠点もあります。道路の側溝にタイヤを落としてしまいクルマが浮いてしまったときに、路面に接地しているタイヤが回らず、浮いてしまったタイヤが空転するのと同じ現象です。
レースの世界では、路面で跳ねてタイヤが浮くことで前進する駆動力をなくさないために、左右のタイヤ繋ぐ特殊なデフ(LSD)で繋いでしまい、曲がりにくいクルマを運転のテクニックで曲げるようにしています。その行為は一般道では危険なので、一般的なデフを使い曲がりやすくしています。
現在の技術では、積極的に差動させるアクティブ式デフを使い、意図的に外輪と内輪を差動させて曲がりやすくするものも出ています。電気モーターを左右のタイヤに使う差動技術はさらに進んだものと言えるでしょう。

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クルマは曲がらない

これでクルマを曲げる準備が整いました。
ここでは、話を簡略化するために、デフの件はとりあえず置いといてお話を進めたいと思います。
このデフについては、運動性のメカニズムでお話しましょう。

ではここで、クルマを曲げて走らせるイメージをしてみましょう。
まずは真っ直ぐにクルマを走らせます。
次にステアリングを左にきります。
クルマが左に曲がり始めました。
もっともっとステアリングをきります。
ところがある程度ステアリングをきったところで、クルマが曲がらなくなりました。
クルマは、頭から左斜め前に進み、思っていた曲がりたい円から外れて外に出てしまいました。
これはどうしたことでしょう?

さて問題です。路面とクルマを繋いでいる最終的なものはなんでしょうか?

そうタイヤです。
このタイヤがクルマを曲げたり、曲げにくくしている重要なパーツなのです。
タイヤは基本的に縦に転がる方向に力が加わります。このタイヤを上から見て、左の方向に向けるとタイヤの面と路面に摩擦力が生まれスリップしていきます(スリップ率)。スリップ率が増大すると、タイヤを左に曲げようとする力が生まれます。クルマは曲がり始めると外へ遠心力が発生しますが、タイヤはこれに打ち勝とうとする求心力を得て、コーナリングフォースとなるのです。しかしこの力はある程度のタイヤの角度(スリップ・アングル)を超えると求心力は落ちていきます。このスリップ・アングルが進む方向に対して90度真横に近づくと求心力が減り、コーナリングフォースが無くなってしまうのです。

話を戻して、先の話に当てはめてみましょう。
ステアリングを切り始めるとスリップ・アングルに合わせてスリップ率が増大し、コーナリングフォースが発生します。クルマは曲がり始めます。しかしステアリングを回し続けることで、スリップ・アングルは広くなり、スリップ率は減りコーナリングフォースは減少してしまったのです。それで曲がらなくなったクルマは遠心力に負けて外に進み押し出されて、思っていたコースから外へ外れてしまったのです。スリップ率は、タイヤのグリップ力(路面を掴む力)の一つの要因です。タイヤの横へのスリップ率が無ければクルマの向きを変えるコーナリングフォースも発生しないので、タイヤの転がる方向にしか進まず、クルマは曲がらなくなります。そうです、もともとクルマは曲がらないように作られているのです。

クルマを曲げてみよう

では、曲がらないクルマを曲げてみましょう。
クルマを曲げるコーナリングフォースを上げるには、タイヤのグリップ力を上げることが大事です。
グリップ力は、路面への摩擦力タイヤへの荷重スリップ率スリップ・アングルタイヤの姿勢で決まります。一つずつ行きましょう。

路面への摩擦力とは、路面とタイヤの面の摩擦力で、これが高いほどグリップ力は増大します。サンドペーパーに消しゴムをかけると大きな摩擦力ができることと同じです。アスファルトの路面に粘土(コンパウンド)の高いタイヤの面(トレッド)が加わると強いグリップ力が生まれます。しかし粘土の高いタイヤは面の減りが早く実用的ではありません。しかし、粘土の高い硬めのタイヤは面は減りづらいですが、グリップ力は低いのです

同じコンパウンドでグリップ力を上げるにはどうすればよいでしょう。消しゴムで強く消すときと同じく、重みをかければグリップ力は上がります。これをタイヤに荷重をかけると言います。ではどうすれば荷重をかけられるのでしょうか?この問題は、運動性のメカニズム・ドライビングテクノロジーでお話しましょう。

スリップ・アングルとスリップ率はどうでしょう。スリップ率は、そのスリップ・アングルによって決まります。クルマの向かう角度から最適なスリップ・アングルで最大のスリップ率を得ます。そのためには、ステアリングからタイヤに伝わる最大のグリップ力を得られる角度を、スムーズに得ることが最適です。同じ角度でも乱暴に舵を切れば、一瞬でコーナリングフォースを失ってしまいます荷重がかからないうちにステアリングをきってしまったので、グリップ力が発生しなかったのです。乱暴な運転は止めましょう。

最後にタイヤの姿勢ですが、ゴムでできたタイヤはその駆動力で絶えず変形をしています。タイヤの側面は傾き、スリップ・アングルによって、その路面とのタイヤの接地面(トレッド)は絶えず変形しています。この接地面は大きいほどグリップ力は上がります。しかし、CMでもありましたが、1本のタイヤの接地面ははがき1枚分です。クルマ1台分のグリップ力ははがき4枚分の接地面積で得なくてはなりません。なるべくタイヤは変形しても接地面は減らないようにするのが難しいのです。ここでいかに接地面積を増やすか、曲がる力を増やせるかをタイヤのつま先のトーイン・トーアウトキャンバー角の話もありますが、これも運動性のメカニズムでお話したいと思います。例えば、レーシングカーが太いタイヤをやや傾けて履いているのは、接地面積を大きくして強大なグリップ力を得たいからです。

クルマは、ステアリングと直結したタイヤだけで曲がるわけではありません。
ほとんどの乗用車は4つのタイヤがついています。そのほとんどは前輪タイヤが曲がっているだけで、後輪タイヤは真っ直ぐの向きのまま前輪のコースを追従しています。では後輪タイヤは曲がることに貢献していないのでしょうか?
それはNOです。
スリップ・アングルの付いた前輪タイヤの求心力は後輪タイヤにも発生して、遠心力と求心力のバランスの取れたコースをトレースして追従します。もし後輪タイヤのコーナリングフォースが無くなれば、クルマの後部は遠心力に負けて外に飛び出すでしょう。クルマを安定して曲げるためには必要な後輪タイヤなのです。
余談ですが、90年代頃当時は、各自動車メーカーこぞって後輪タイヤ動かす4輪操舵(4WS)の技術を使いました。機械式や電気式同位相や逆位相様々な動かし方でクルマに曲がる力を加えたのでした。今は進んだ技術が使われていますので、必要はなくなりつつあります。

まとめとして。
まず実は曲がりにくいクルマは、逆に安定したクルマと言えるかもしれません。
そしてエンジニアは曲がりにくいクルマを構造のメカニズムで曲げようとするのでした。
ここで積極的に運転で曲げることは、運動性のメカニズムでお話しましょう。

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クルマはとまらない!

クルマは、大きな構造物の塊です。重量は1トン以上は軽くあります。この重量物は加速度に比例して衝撃度は大きく増大していきます。日頃世間では悲惨な交通事故が後を絶ちませんが、そのひどさは重量と加速度によることが大きいです。大型のトラックと軽自動車の重量差の事故では、軽自動車の加速をもはねのける力にもなり得ます。反対に言えば車重が軽く、加速が低ければ、衝撃度も軽くなるわけです。

つまり重量物であるクルマは簡単には止まらないのです。
ブレーキしてクルマを止めたいと判断をする時間の加速度ブレーキを踏む時間の加速度空走距離の加速度)、ブレーキが制動している時間の加速度、それらの加速度の合計がゼロに達したときに、はじめてクルマは止まるのです。

そこで、重要なのは重量物の加速を止める構造であるブレーキが必要になります。
ブレーキとは、ブレーキペダルを踏んだ踏力(圧力)を、ブレーキホースの中に流れたフルード(オイル)で圧力を伝え、さらに倍力装置により増大させた力をブレーキパッドでタイヤに付随したディスクローターを挟んだり、ブレーキシューでドラムに圧着させたりすることで、制動力を熱エネルギーに変換してクルマを止める装置です。

少し長々と難しくなりました。

簡単に言えば、ブレーキペダルへの踏力でタイヤについたディスク(円盤)をパッドで挟み込んで、タイヤを制動するのです。
ブレーキシステムには、主に2種類の形式があり、ディスクローター式ドラム式がありますが、現在では車重の増加に伴って、小型車以上やスポーツカーにはディスクローター式を、軽自動車にはドラム式をと使い分けています(今や軽自動車にもディスクブレーキを採用し始めました。車重の重さや加速度の高さからくるものでしょう。)。より重い車重のクルマは、制動力の熱エネルギーを多く放出するために、外気に放出しやすいディスクローター式を採用しているのです。

制動装置も大事ですが、ここでもタイヤが重要になります。クルマを曲げるお話でも出ましたが、制動するときにもグリップ力は必要になります。前述にグリップ力を上げるスリップ率は、路面とタイヤの摩擦力の強さによるものだとお伝えしました。タイヤと路面の粘土が高ければ制動力は上がり粘土の低いタイヤが氷の路面(アイスバーン)は滑って制動力は下がります
さらにここでも、タイヤの接地面積が求められます。路面と直接接しているからです。
つまりタイヤのトレッド(接地面)のコンパウンド(粘土)が柔らかく、路面との摩擦を生みやすく、接地面積が広い程、制動力は上がるのです。

ところでブレーキには、クルマを止めるだけでなく、クルマの姿勢を曲げたり傾けたりコントロールする装置にもなりますが、この辺りは運動性のメカニズムでお話しましょう。

さて、前回と今回の2回にわたってクルマの構造のメカニズムのお話をしてまいりました。
ほんの基本の部分のことなので、何のことか理解できなかったかもしれません。
文章だけのご説明はホントに難しいです。エンジンの周辺機器の話もできていませんでした。
この辺りは次回からの運動性のメカニズムに合わせてお話しできたらと思います。

少しはクルマの楽しさをお伝えできたでしょうか?
ご意見を聞かせて頂いたら嬉しいです。

次回からは、ドライビング・ハイとなる運転のテクニックにもつながる運動性のメカニズムをお話しできたらと思います。
読んで楽しんで頂けたら嬉しいです。

では、また次回お会いしましょう!

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